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「角野さーん。お電話でーす」

「はいはい、ただいまー」



「そう」それだけ言って、いかにも不満そうだという顔をしていた。

何も発してはくれなかった。

また間違えた。

何を?全くわからない。

ただ何か嫌な空気になったのを感じた。

いつぞやにも感じた様な体にのしかかる重たいものが、自分を息苦しくさせる。

自分の普段からを見ての通り、ものわかりが悪いから、ちゃんと教えてくれないとわからないのに。

それから角野先輩は、目すらも合わせてくれることはなかった。






第3章*第3話に続く。