あの人への好きは、今までのとも、今とも少し違う。
なんだろう。
好きだったんだけど、全てがもやもやして、終わっていった。
…会いたいな。
…て、ちょいちょい!
重症だ。相当駄目だったんだ、あの頃は!
あれだけ、あの人に忘れてもらう、自分も忘れるって心に決めたのに!
忘れて──
表ではそう想っている。
確かにそう思っている。
だけど、心の本音では、違う。
言っては駄目なこと。
心の隅で少し期待している。
会いたい。
叶わないんじゃなくて、叶えてはいけない夢。
それは、わかっているけど、しつこい程に自分の心を侵食していく欲の部分。
一目でいいから、会いたい。
「華ちゃーん!どうしたん?」
「ひっ?!」
「顔、真っ赤やで?あ、また綴りわからんのか!次は何や?「うぃ」か?「ぎゃ」か!」
「違います」
本当に重症だ。
まさかあの人を想うだけで、身体が反応してしまうとは。



