そして、消しゴムを拾ってもらって以来、一度も関わっていない。
時々目は合うけど。
相変わらず、野球部は自分につきまとう。
でも、栗山くんはあのグループにはもういない。
何があったかは知らないけれど、新学期が始まってからは水川たちと一緒にいるところを一度も見ていない。
喧嘩でもしているのか。
それにしては、少し違う。
普通に会話しているところも見るし、普通に今まで通り気持ち悪い程、じゃれあっているところも見る。
男子ってわからない。
女子にはありえない話だと思う。
みんながみんなってわけではないけれど、大概女子って一度喧嘩すると最低1、2週間は口を聞かない。
それも本当に些細なことで。
自分からしてみれば、いちいち小さい人間だなーって思っちゃって。
そんなことくらいで壊れるくらいなら、むしろ早めに気づけてよかったと思う。
そんな友情なら最初からいらないや。
そう思って、自分はいつも通りに過ごす。
それが今までの自分の生き方。
こういう考え方を名言として残している人は、結構沢山いると思う。
こんだけ長々と話しておいて、最終的に言いたいことは、時々男子になりたいって思うことがあるってこと。
男子にもいろいろあるんだろうけど、それでも何となくいいなって思う部分がある。
やっぱり男子ってわからないっていうのは取り消す。
そして、言いかえる。
人間ってわからない。
一日いちにちお題は違うけれど、そんな感じのことを毎日考えている。
こんな日々だけど、決して暇ではない。
ずっと一人だけど、退屈はしない。
そりゃ、いろいろありすぎて、思い描いていた中学校生活では全くないけれど、これはこれで満喫している。
楽しいとは言い難いけれど、なんとかやってきてる。



