内実コンブリオ




不安げな、まだ幼い目が揺れていた。

ああ、こんな目をしていた、自分も。

なら、これだけは確かに教えないと。

幼い瞳は、変わらず自分を見つめている。

自分はできるだけ、優しく言った。



「思ってることは、ちゃんと口に出して言わんと、伝わらんよ。
恐がりながらでも、正直に言わんと、自分も傷付くし、相手も傷付けることになるんやに」



栗山くんと自分は、また出会すことができたけど。

奇跡が何度でも、起こるなんてことはないから。

全ては必然であり、そうしてまた、それはあなたの物語へと、繋がっていく。

あなたの世界に、無駄なことなんて、何一つあるはずはないのだから。

だから、これだけはわかってほしい。

あなたに差し出された、せっかくの人やもの、気持ちを無下にしちゃならないのだと。

すると、突然に「お母さん」の幼少時代を聞きたい、とねだられる。

未だ純粋な彼女の頭を、自分は優しく撫でた。










内実コンブリオ
どんなときだって、生き生きとしていたじゃないか



おわり。