内実コンブリオ

そうすれば、自然と言葉も出てきた。



「…なんか、ありがとう」

「いーえ。てか、急に何やし!」



森緒ちゃんは頬を赤らめて、明るく笑ってくれた。

ほら、恵まれている。

今までも、辛いこと一点じゃなくて、周りを見渡せていたらよかった。

辛いことは、たくさんあって、あまりにも居たたまれなくなりそうな世の中だけど。

辛いことも、幸せもお互いに点々としていて、それらみんなを引っくるめて、自分のものなのだと気づいた。

そして、それは自分だけでなく、みんながそう。

今まで当たり前のことだと、わかったつもりでいた。

みんなが、それぞれに苦労している。

だけど、どうしても一人じゃ、できないことがある。

そんなとき、独り善がりじゃいけない。

これからは、ちゃんと頼って、そして、支え合っていくんだ。

そう決めた。

会社の外に出て、空を見上げると、星はこれでもかというほどに、輝いてみせた。

おそらく、明日も晴天だろう。

たったこれだけのことに満足した自分は、毎日お馴染みの駅までの道を歩き出した。