本日の業務も終わり、後は帰るだけ。
しかし、森緒ちゃんと一緒に、給湯室に居座っていた。
森緒ちゃんは、備え付けのコンロで湯を沸かす。
そして、沸騰したやかんのお湯を、茶葉を予め入れておいた急須に注いだ。
「聞いたよ。彼と上手くいったんやってな!おめでとう!」
「ありがとう」
「上手く言えたん?好きって」
「…上手く言えたんかは、わからんけど。ちゃんと受け取ってもらえたみたい」
森緒ちゃんから湯呑みを手渡され、ありがとうと受け取る。
それは、猫舌の自分には、先入観を持たせる熱さだった。
口につけると、案の定、上唇をやけどする。
それにしても、森緒ちゃんに栗山くんとの話をするのは、今日の今が初めてなのに「聞いた」って一体誰からだろう。
…とは、考えるまでもなく。
「『聞いた』って、角野先輩から?」
「他に誰がおるんやし」
「ですよね…」
自分に心当たりがあるのは、角野先輩と今朝、駐車場から会社の入り口までの間で、鉢合わせたからだ。
そのときに、ほぼいつも通りのこんな会話をした。



