内実コンブリオ

全体がグラスの、見慣れない形のサングラスのようなものをかけていた。



「あ、格好いい」

「え。本当?でも、俺、試合でも練習でも、したことないんだよね」

「今も野球してるの?」

「うん。まあ、草野球だけどさ。週一で行く程度」

「週一で…すごい」

「いや、凄くないよ。好きでやってるだけだし」



栗山くんは謙遜するが、十分すごいと思う。

だって、仕事とプライベートを、ちゃんと両立しているのだから。

しかも、こういった用品を買い替える時期をむかえるほど、ものを使い込んでいるということだ。

それにしても、栗山くんの瞳が生き生きとしている。

本当に好きなのだな、ということがよく伝わってくる。



「うちのチームのシャツの色、赤なんだよね。赤っていうか、えんじ色みたいな」

「へえ。確か、うちの強豪校もそんな色じゃなかったっけ」

「そうそう。よく知ってるね」

「地元の試合は、まあ、興味があるから…」

「お。じゃあ、夏とか応援行く?一緒に」

「うん。楽しそう」



二人で向き合って、笑い合う。

何だか、むず痒い。

というよりも、すでに先の夏の約束をしているようなものだ。

栗山くんは手慣れた様子でシャツ、ソックスの色とサイズを選び取っていた。

レジへ向かうのもまた相変わらず、栗山くんの2歩後ろを行く。

今、自分、普通に楽しんでいる。

ガラパゴス携帯を開けば、丁度、昼前を示していた。

楽しいせいで、時間が過ぎるのも早く感じる。