知らずとして言ったことを、まさかこんなにも笑われるとは、思わなかった。
でも、後々、自分が言ったことを思い返すと、確かに可笑しなことだと思えた。
自然と口角も上がってくる。
「あれ。何で笑ってんの?」
「笑ってない」
「笑ってるじゃん」
「笑ってないから」
こう言い合えることが、よく考えてみれば不思議だ。
ほら、タメ口も様になってる。
スポーツ用品のことなんて、何もわかりやしないけど。
とりあえず、自分は栗山くんの2歩後ろを、黙ってついて行く。
ふと、栗山くんが立ち止まる。
その背中に、危うくぶつかりそうになったのを、ギリギリのところで止まった。
背中を見つめたまま、ほっとして溜め息を漏らした自分を知らない彼は、その場で振り返る。
「見て見て。アイシールド」
「へ」
さっきまで見つめていた背中の位置から、栗山くんの顔を見上げる。



