先程のお店で、栗山くんは楽しいと言ってくれたが、実際は自分が一人で楽しんでしまった。
その罪悪感から、自分が会話を始める。
「つ、次は栗山くんの好きなもの、見に行こう?」
「だから、気にしなくてもいいって。俺なりに楽しんでたから」
「俺なりに…?」
「そ。俺なりに。て、いうかさ、華さん、さっきの店で何も買わなくてよかったの?」
「うん。見てるだけで楽しかったから」
「そっか」
「うん」
それは本当。
一人じゃ、ああいったお店にふらっと立ち寄るなんて、いつもならできないから。
いつもアレが要る、コレが要る、と決めて家を出るため、用件が終わりさえすれば直ぐに帰る。
まるで、伝書鳩のよう。
それに、立ち寄る勇気もないし。
だから、雑貨店なんていうのは、こんな風に誰かと居る機会でもないと入れない。
店の佇まいからして、そこまで「女の子」という感じでもなかったので、いいかなと栗山くんに配慮したつもりだ。
自分としては、非常に満足してしまっている。
絶対につまらないと思うのに、栗山くんを見れば、無邪気なこの表情だ。
不思議で仕様がない。
だから、次は栗山くんのお気に入りを見に行こう。



