「そりゃ、不真面目な人よりは…」
「俺は?」
「誠実…です」
自分がそういうと、先輩は小さな溜め息を吐いた。
「俺より若造の『栗山くん』のが、上やったかー」
角野先輩は、ようやく手を離してくださり、目をつぶっている。
それを横で見つめて、ずるい自分は感じていた。
『この人のこと、絶対、嫌いにはなれない』
こんなことを容易に思うから、諦めの悪い自分が生き長らえるんだ。
でも、この人には今後とも、ご指導ご鞭撻を願いたい。
角野先輩が目を開くまで、自分はその横顔をただ、じっと見つめていた。
「俺は?」
「誠実…です」
自分がそういうと、先輩は小さな溜め息を吐いた。
「俺より若造の『栗山くん』のが、上やったかー」
角野先輩は、ようやく手を離してくださり、目をつぶっている。
それを横で見つめて、ずるい自分は感じていた。
『この人のこと、絶対、嫌いにはなれない』
こんなことを容易に思うから、諦めの悪い自分が生き長らえるんだ。
でも、この人には今後とも、ご指導ご鞭撻を願いたい。
角野先輩が目を開くまで、自分はその横顔をただ、じっと見つめていた。



