内実コンブリオ


「もしかして…泣いてるんか?!えっ、この流れで何で?!」

「泣いてません…」

「え、だって、泣いてるやん!どっからどう見ても!」

「泣いてません」

「やっぱり変わった子やなー。辛いときは泣かんくせに、嬉しいときは泣くて。しかも、辛いとき泣かん代わりに体調崩すよな」

「その節はご迷惑をおかけしました…」

「別に迷惑なんて思ってないで」



自然に、先輩が笑ってくれる。

本当に優しい人。

そんな人たちに自分は、恵まれていて。

あの頃からもそうだったのかもしれないのに、それに気づかず、自分は全てを蹴ってきていたのだろう。

なんて失礼極まりなく、勿体ないことをしてきていたのか。

もっと早くに、気が付ければよかった。

でも、やっぱりあの時は、何をしたって戻って来てはくれないから。

ただ今にだけ、感謝することしか出来ない。

ニコニコしている先輩を見ていれば、自分はすぐにまた涙ぐんだ。