これから話そうとしていることを考えたら、あまりの緊張に気分が悪くなる。
相変わらず、ノミの心臓だなぁ、自分って。
内心、自分に向かって嘲笑する。
このままで居ても、なかなか食べ終わることが出来そうもなかったので、残り4口くらいのところでばれないように蓋をした。
「先輩…あの」
「ん?」
「少し、お話しておきたいことがあります。」
「華ちゃんからなんて、珍しいよな。いいよ。何でも聞くで」
明るい先輩の声色がこの後、どう変わっていくかを考えると恐ろしくて、本当に仕方がない。
だけど、けじめは付けなければならないから。
とてつもない緊張が、自分を襲う。
「あの、もはや去年のお話になりますけど…」
「去年?」
角野先輩に聞き返されて、少し気まずく思った。
昨年、先輩から告白をされたその返事を、今しようとしているのだ。
しかし、とっくの昔にそんなことを忘れ去られていたとしたら、自分はとっても恥ずかしい奴じゃないか。



