「華ちゃん、どうしたん?」
「…申し訳ありません」
「いいよ。まあ、飯食おうよ」
年末年始の休暇を終え、何度目かの職場出勤。
ある日の昼休み、自分は角野先輩を人のいない休憩室に誘った。
いつも一緒にお昼を過ごしてくれる森緒ちゃんには、事情を軽く説明すると、すぐに了解をしてくれた。
きっと、また誤解をされているんだろうけれど。
どちらにせよ、ここではっきりさせる。
部屋の整理をしたように、気持ちの方の整理もしていかないと、どこにも行こうとすることは出来ない。
年明けに自分の部屋を片付けた時に、初めて感じたような気持ち。
この時、生れてはじめて自分の感情が、掴み取るように分かった気がした。
優柔不断を卒業したい。
「先輩…食べるの早いですね」
「ん?まあな。華ちゃんは焦らずに食べな」
「ありがとうございます…すみません」
自分がうだうだと考えている間に、先輩のコンビニ弁当は空になっていた。
自分から誘っておいて、待っていてもらうなんて申し訳なさすぎる。
慌てなくてもいいなんて言われたが、こんな状況では急がざるを得ない。
心臓がバクバク言っている。
今、ゴボウのサラダを口に運んだ。
でも、喉を通らない。



