「あ、聞きたい?クリスマスの日、華とファミレスで別れた後な―」
自分が、待ち詫びていた話題だ。
中途半端にして出てきてしまったため、密かに罪悪感を感じていた。
だからこそ、気になっていたというのもある。
「チーズinハンバーグを、二人で食べたん」
「お、おお…」
話題が外れているような気がして、もどかしい気分だ。
もう、ずばりストレートに、自分はキーワードを出そうとした。
しかし、その必要はなかった。
「ちょっと華、わかっとる?『二人で』ってところが大事なんやに!」
「つまり、それは…」
「仲直りをしましたー!」
「おお!」
森緒ちゃんは、嬉しそうに両手を天井に翳す。
ホッとした自分も嬉しくなり、思わず目が潤む。
それを隠すように、小さめの拍手をした。
「あの人もチーズとか好きで…『私たちって、やっぱり趣味合うよねー』って話を私からして…」



