「華、お疲れー。ちゃんと言えてたやん。えらい、えらい」
「うう、森緒ちゃん…!」
強張った気が一気に緩み、思わず泣きそうだ。
森緒ちゃんに抱きつきそうになったのを、ぐっと堪える。
「華、ちゃんと食べなよー。ほら、あの唐揚げ、むっちゃジューシーやったから!」
森緒ちゃんが「ジューシー!」とご機嫌に言いながら、自分の両頬を引っ張る。
「……もう、酔ってる?」
「酔ってないよーん!」
酔ってる、多分。
でも、それだけではなく、無性にニコニコしているように見える。
実は、何となく勘づいている。
今日、森緒ちゃんの表情を見たときから、何か彼女から良い知らせが聞けるような、そんな気がしていた。
今朝から気になっていたので待ちきれず、我ながら珍しく、自分から聞いた。
「森緒ちゃん、何か良いことあった?」



