「遅すぎるっ!」



部署内に、上司の怒号が響き渡る。



「何をしとったら、こんなに遅くなるん!!」

「申し訳ありません」

「本当にちんたら、ちんたらしてあんたは亀なん?なんでそんなに鈍いの?!亀のが速いん-



ちょっと言い過ぎじゃないか?

なんて、悪いのは、自分だとわかっていても、この手のお説教にはつい、内心で悪態を吐きたくなる。

口には、決して出しません。

だから、こればっかりは、許してください。

何事も悩みは絶えない。

自分の悩みは、もっと早く行動出来ないこと。

森緒ちゃんの悩みは、彼氏さんと仲直りが出来ないこと。

自分の悩み、こればっかりは、自分自身が何とかするしかない。

と、なれば、まず森緒ちゃんの悩みを解決することに専念しよう。

それで、自分が得ることもあるかもしれない。

何からすれば、良いだろうか。

とりあえず今は、女性上司のお説教を乗り越えることが、自分の課題だ。







第3章*第10話に続く。