「こういう時、男の人ってどう思うんやろ。女と同じで、淋しいんかな?」
「それは…どうなんだろうね。女やから、わかんないや」
「じゃあ、男の人に聞けば、わかる?」
「わかる…かもね」
「角野さんとか?!」
「わっ、わかるかもね!」
その名前が出て、一瞬ドキッとした。
そもそも森緒ちゃんの彼は10代で、角野先輩は、きっと30代。
世代が違っても、思うことは同じなものなのだろうか。
自分はあまり、そうは思わないが。
「よし!角野さんに聞いて見るでっ、私!!」
私が考えているのを外に、森緒ちゃんは叫ぶ。
一体、どんな聞き方をするんだろう。
何となく、そんなことが気になった。
気持ちが少しソワソワし出した時、手にメモを握っていることを思い出す。
いつもの強気な女性上司から頼まれたことは、盛りだくさんだった。
森緒ちゃんと話を初めて、どれくらいの時間が経ったのか。
恐る恐る腕時計の時刻を、覗く様にして確認する。
その瞬間、背筋がゾッとした。
怒鳴る上に、ネチネチとしつこい嫌味を言う上司の姿が、即、頭に浮かぶ。
再び、身震いをした。



