内実コンブリオ


それは、今現在のように。
でも、それを避けるには…やっぱりどうしたらいい?

迷う自分が、咄嗟に出した答えは。



「す、すみません…」



以前の自分を連想させる言葉。

誰だって使う日常的な言葉だけど、自分はこの言葉を人一倍、使ってきたように思う。

意味もなく、発していた様にも思うけど、意味はある。

今日のこの「すみません」には、意味がある。

小さな否定がこもっている。

この小さな否定は、出来ることならば、ずっと秘密にしておきたい。



「そっか。まあ、別に気にしやんよ。やから、頼むからさ、謝らんといてよ」



罪悪感がくるかと思っていたのに、そこまで感じない。

むしろ、安堵感が強い。

自分は何に対して、安心なんてしているんだろう。

その後は他愛もない会話をして、気まずくなることもなく、そのまま駅まで送ってもらった。

人と会話一つするにしても、自分はこれ程ビクビクと怯えている。