一通りを話し終えた様子の森緒ちゃんは、頭を抱える格好をしていた。

小さく唸っている。

自分は少し前に、人に相談する、という経験を初めてした。

その時、自分はくだらないことを話して、相手により迷惑をかけてしまった気分になったのだ。

今の森緒ちゃんは、どうだろう。

話し忘れている、話し足りていない事などはないだろうか。

全部は無理だとしても、どうせなら、僅かにでも心を軽くしてもらいたい。

自分なんかでは、気の利いたアドバイスなんて、絶対に出来ない。

ただ、聞くことしかできない。

せっかく相談してもらえたのに、こんなことでいいのだろうか。

自分は少し、物足りなさを感じていた。