自分、咲宮 華は同僚の森緒ちゃんと食堂にて、ランチタイムの最中であった。



「あれ、今日は卵焼き無いの―?なんだぁ、残念」

「ごめん。今日はつくる時間がなくて、インスタントばっかりなん」

「つくる時間なかったって、寝坊?」

「ま、まぁ。そんなもん」

「ふーん」



意味有り気に、森緒ちゃんは唸る。

その表情は、少し拗ねているようにも見えた。

口を尖らせ、何かを言いたげだった。

そもそも今日の森緒ちゃんは、少しおかしい。

どうおかしいのかと問われると、あまり元気がなさそうなのだ。

自分の周りには根から元気な人しか居ないので、一人でも元気がないと、自分の気分が不安定になる。

というよりは、自分が活気づいた人間でもないから、そう思うのかもしれない。