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不思議なことに白いシーツ、ベッドの上に横たわっていた。

あたりを見渡し、周りに覆われている薄汚れたカーテンに映る人影を見つけた。

さっきまで一緒に居てもらった相手か。



「せ、先輩…」

「あっ、気づいた?!」



ひょっこりと顔を覗かせたのは、自分が想像していたのとはまた違う人物、森緒ちゃんだった。



「大丈夫?なんか変なとことかはない?!」

「…へ、平気」

「よかったー。びっくりしたんやからな!華が倒れた、って角野さんが慌てて私のところに来てさ…
めっちゃ心配しとったよー」

「角野、先輩が…?」



あんなに怒っていたはずなのに、心配してくださった…?

しっかり怒鳴られたすぐ後なのに。

上体をゆっくりと起こした。



「あ、無理しやんとき。華、ストレスと過労やって。いろいろ考え過ぎっちゃう?」

「そんな、全然…」

「考え過ぎっていうか、被害、加害妄想が強いんちゃうん?」



何も言えない。

森緒ちゃんの言うことが正解な気がした。