そんな私に総司は微笑みかけると自身の着物から私の手を離させた。 「これが僕の運命(さだめ)なんだ」 総司は吐き出した血を井戸で汲んだ水で流すと今度こそ私の前から姿を消した。 あれは、労咳。 治療法はない。 つまり総司を待ち受けるものはーーー。