奥沢は心臓を一突きにされたようで、見る限り即死だ。


手をかざして見るが何も起こらない。


つまり死んでからかなりの時間が経過している。


「…ごめん…なさい…、彼はもう…」


震える声で言うと原田は悔しそうに拳を強く握りしめていた。


奥沢さんは池田屋の裏で倒れていたと左之さんから聞いた。


奥沢さん、早く気づくことができなくてごめんなさい。


一人で死ぬのは怖かったでしょう。


その後、奥沢栄助は光縁寺に祀られた。



池田屋事件は双方に大きな打撃を与えたものの、新撰組の強さを全国に轟かせた事件として幕は閉じた。