再び翔くんに抱き締められる。


翔くんの腕の中で考えていた。


翔くんはかっこいい。


優しいし、完璧。


そんな翔くんなのになんで私を選んでくれたの?


言いたいことは言わなくっちゃーーー


私だって翔くんを不安にさせたくないから


「ね、翔くん。」


「何?ひなちゃん。」


私が愛しい人の名前を呼ぶと
翔くんは優しい声で私の名前を呼んでくれてーーー。



「どうして私を好きになったの?」


私は少し不安になりながら聞く。


「私、ほんとに自分に自信がなくて……翔くんがなんで私を選んでくれたのかがわからない。」


翔くんは一瞬、黙った。
だけどすぐに笑ってくれた。



「ひなちゃんはネガティブすぎなんだよ。君のいいところなんて数え切れないくらい言えるし。まあ、でもきっかけはあるよ?」


きっかけーーー?


「聞いてくれる?」


優しい声に静かに頷いた。