「詩織さん、話が違うじゃないか」



健ちゃんが姉に何かを言っている
姉はとぼけていたか
私はピンときた



姉が誰かに連絡をしていた
その相手は健ちゃんだ
私が帰省していることを伝えたんだ


話しが違うって事は
健ちゃんが有利になるようなことを言ったのだろう



『お姉ちゃん…、私、お姉ちゃんを怒らせるようなことした?何が気に入らないの?そんなに私の事が嫌いなの?』



私の中のお姉ちゃんは
いつも優しくて、笑顔で
ステキな姉だった
でも健ちゃんとのことが明るみになってから
姉は変わっていった気がしていた




「…はぁ?気に入らない?怒らせることした?私はね、昔から楓のことが目障りだったのよ!昔から大っ嫌いだったわ」