「青山、おい青山。」


渡部さんの声で我に返る。チラリと岡崎部長へ視線を向けた。

バチリと視線がぶつかるが、すぐに外された視線に資料へ視線を落とす。


「詳細はまた後日に。店の設計図を青山インテリアさんに渡しておいてくれ。」

「はい。」

「このプロジェクトは新規開拓する為の大事なプロジェクトだ。」

「………。」

「これからは私も会議に毎回参加する。水越(みずこし)、予定を頼む。」

「はい。」


プロジェクトリーダーへテキパキと指示を飛ばす。私は嫌な予感しかしなかった。

よくよく見れば、マリンコーポレーションのプロジェクトリーダーも見覚えがある。


「あっ、それと………。」


岡崎部長の発言に唾を飲み込んだ。


「青山インテリアさんのリーダーである渡部さんには、うちの水越から話があります。」

「はい。」

「水越、宜しく頼む。では、今日はこれにて終了とさせてもらいます。」


岡崎部長の言葉に各々が席を立ち始める。

私も資料を鞄へと仕舞っていくと渡部さんに声を掛けられた。