浜辺にいる琴音に近づいていく。二人で寝そべり楽しそうだ。

私達に気づいた二人が体を起こして見上げてきた。


「おっ、海は気持ち良かった?」

「はい。」

「なら俺も音ちゃんと行ってくる。音ちゃん、海に行こ。」

「うん。花、波、宜しく。」


宜しく?何が?

首を傾げれば、琴音に耳打ちされた。


「応援してよね。」


嬉しそうに春馬さんと海に向かう琴音の背中を見送る。

『上手くいきそうなんだ。』

二人を見送っていれば、手を繋がれ、ビクリと体を揺らした。


「花ちゃん、何か飲まない?」

「えっ?あっ、うん。なら財布を………。」

「奢る。ほら、行くよ。」


なんか強引な蒼大さんに手を引かれて浜辺を歩き始めた。

後ろをチラリと見れば、苦笑いの波羽に手を振られていた。

隣に立つ悠祐さんを見れば―――

ニヤニヤと私達を見送っている。チラリと蒼大さんを見上げた。

僅かに口角を上げているようにも見える。


企み?


そんな疑問が沸き起こっていた。