「花ちゃん達はどこの大学?」

「えっと………もう卒業したんだけどね。」

「そうか、卒業旅行だからね。っで、どこの大学出身なの?」


蒼大さんの追い詰めるような質問に波羽を見た。波羽と目と目が合う。


「俺達には言いたくない?ちなみに俺らは恵大。花ちゃん達は?」

「…………相美大。」

「美大なんだ。っで就職は都内?」

「あっ、うん。」


つい蒼大さんの追い詰めるような言い方に話してしまった。


「皆、デザイン系の会社に就職が決まってるの。悠祐さん達は?同じ会社なの?」


波羽が話題を悠祐さんに振った。悠祐さんは蒼大さんをチラリと横目で見た。

お互いが深く追求されたくないみたいだ。

だけど―――


「俺と春馬は同じ会社。悠祐だけは違う。」

「都内?」

「そう。」


答えたのは蒼大さんだ。それに突っ込むのは、勿論、波羽だった。


「偶然もあり得るわね。」


波羽の呟きが静かな海に小さく囁かれた。