生活感のない部屋に忙しさが伝わる。

冷蔵庫には飲み物しか入っていないし、料理した形跡もない。

寝に帰ってくるだけの日々なんだろう。

切なさが急激に襲う。


「一緒に暮らしたら………違うのかな。」


冷蔵庫に食材を仕舞い、買ってきたパンとかを棚に入れた。

普段は料理なんてしないが、簡単な料理なら出来る。


「よし!」


気合いを入れて料理を始めた。

案外と楽しいものだ。

きっと誰かの為に作る料理のせいかもしれない。

温めるだけにしておき、時計を見るがまだ帰宅する時間ではないと判断した。

きっと遅くなるだろう蒼大を待つ間にシャワーを借りる事にした。

寝室に荷物を置き、必要な物だけを持ってシャワーに向かった。

ゆっくりと時間を掛けてからリビングに戻ったが蒼大の姿はない。

ソファーに座って暇を潰す事にした私は………いつの間にか眠りに落ちてしまっていたようだ。