もう一度、ビルの出入口へ振り返ってみたが、渡部さんの姿は見えなくなっていた。
エレベーターの中へ引っ張られ、蒼大さんと二人で上っていく。
「蒼大さん、酷くないですか?」
「………。」
「何であんな言い方したんです?」
無言の蒼大さんと二人、エレベーターから降りた。多分だけど、蒼大さんのオフィスへ向かっているんだろう。
だが蒼大さんに連れて来られたのは社長室だった。
「ちょっと蒼大さん。」
「親父を紹介する。親父の耳にも噂が届いてるみたいだから。」
「いやいや、ちょっと待って。」
「待たない。」
蒼大さんがノックする音に緊張が高まる。
頭が真っ白な私を連れて、蒼大さんが社長室に入っていく。
縺れそうになる足を奮い起たせ、蒼大さんの隣に並んだ。
「親父、紹介する。」
「蒼大、急に何だ。」
「昨日、電話で話しておいただろ。『噂の俺の女を紹介したい』って。」
蒼大さんが社長……つまり蒼大さんのお父様が腰掛けているデスクの前で止まった。
エレベーターの中へ引っ張られ、蒼大さんと二人で上っていく。
「蒼大さん、酷くないですか?」
「………。」
「何であんな言い方したんです?」
無言の蒼大さんと二人、エレベーターから降りた。多分だけど、蒼大さんのオフィスへ向かっているんだろう。
だが蒼大さんに連れて来られたのは社長室だった。
「ちょっと蒼大さん。」
「親父を紹介する。親父の耳にも噂が届いてるみたいだから。」
「いやいや、ちょっと待って。」
「待たない。」
蒼大さんがノックする音に緊張が高まる。
頭が真っ白な私を連れて、蒼大さんが社長室に入っていく。
縺れそうになる足を奮い起たせ、蒼大さんの隣に並んだ。
「親父、紹介する。」
「蒼大、急に何だ。」
「昨日、電話で話しておいただろ。『噂の俺の女を紹介したい』って。」
蒼大さんが社長……つまり蒼大さんのお父様が腰掛けているデスクの前で止まった。


