「波………。」

「音の突拍子もない考えは今更でしょ?諦めなよ、花。」

「波……。」

「花の見た目で頼む。」

「はっ?無理。」


意味不明な押し付けに首を横に大きく振る。でも琴音は波羽を味方に出来たと思い、私の肩をポンポンと叩き、にっこりと微笑む。


「花、案内を宜しくね。」

「………。」

「いいじゃない。花もフリーなんだし、『バカンスでの恋』でもしたら。」

「………。」

「ハワイでの現実離れした空間で、いい男と『ひとときの恋』。なんか小説に出てきそうじゃない?」


一人で盛り上がる琴音に私も諦めた。確かに、ハワイで現実離れした世界で弾けてみるのも悪くない。

どうせ彼氏もいないし、フリーなんだから楽しめばいいんだし。


「わかった。楽しもう、ハワイを。」

「花、波、楽しもうね。」


ウキウキの琴音が幸せそうだからいい。私も楽しもうと思う。

そして私達はハワイへと飛び立った。