「なぁ!聞いてなぁ、こん前なぁ新しい薬できてしもてん!」
椿さんはこの場の雰囲気など関係なしに話始める。
「ハイハイ。.....チッ」
そんな椿さんの横で適当にあしらう翼さん。
この時、既に奏が尊の毒牙にかかっていた事なんて知らない俺らは椿さんの話を聞き流す。
すると、雫が
「そぉ言えばぁ、柚流君からぁメールきたぁ。」
柚流、と久しい名を出す。
柚流とは俺達の仲間ではないが、敵でもない。
ただ愉しろいことだけを探しては神出鬼没にあらわれる奴だ。
「柚流ですか。どうしたんですか?」
翠もその話に興味があるらしく、雫に聞く。
「それがねぇ、僕も子猫ちゃんに会いたいな、だってよぉ?」
「子猫...まさか?」
子猫、なんて俺らの知っているなかで一人しかいない。
それも、愉しい事が好きな野郎だ。
.....厄介だ。


