その時、私の箍(たが)が外れた。


クンクン

奏の首筋についているマタタビの匂いを嗅ぐ。
そして、



ペロッッ

「!!」

舐めた。
そんな私の行動に驚きを隠せないでいる奏は息をのみ、固まる。


奏の首筋から鎖骨、胸へと滴り落ちていくマタタビ酒。

その水滴を逃さないと言うように、舌で追う私。

「!?...っっ!」 ビクッ

私の舌に反応しているのか、奏の体がびくついている。

そして、お腹あたりまで舐め終えた私。

顔をあげ、奏と目が合う。

『...おいし。』

舌なめずりをして笑顔で言うと、奏目を見開いて、また固まる。

私は次に依のところへ行く。

奏とのやり取りは見ていないらしい皆。
固まっている奏そっちのけで盛り上がっている。