「きゃああ!いやああ!おじいちゃん!まどかお姉ちゃん」

活動を休止したガンスロンは、すべての明かりが消え、真っ暗な闇の中で、真由は泣き崩れた。

「あ、あたしは……無理やり…ここに押し込まれて…無理やり…戦わされて…あたしは……戦いたくないのに……」


真由の頬を涙が伝い、コクピットに落ちた。





「キィィ――!」

興奮した声を上げ、鉄棒を振り上げた猿の腕は、



突然何かに掴まれた。


三本の指は、挟み…捻り……猿の右腕をへし折った。




「え!?ガンスロンが……」

まどかは、飛行艇の中で、言葉を失った。

システムダウンしている。コントローラである端末機も、ついていない。

しかし、ガンスロンは動いているのだ。

右手を折られ、痛みで絶叫する猿を、ガンスロンは逃がさない。

右手のストレートが、顔面に決まる。



「ククク…」

潤一郎は、含み笑いを漏らした。


ガンスロンは、右腕を引くと、またストレートを打ち込む。

それを何度も繰り返す度に、スピードがついていく。

ストームパンチ。

打つたびに、速くなっていく。

折れた左腕を掴まれている為、猿は逃げれない。

ガンスロンの右手の先が、回転しだした。


ガンスロンクラッシャーだ。

ドリルのようになった腕が、猿の顔面に突き刺さる。



「当たり前じゃろが!主人を守らない愛犬がいるか!」

ガンスロンは、突き刺さった右手を抜くと、左手で猿の首を掴み、前方に投げた。

海岸に砂埃が上がる。

ガンスロンの二本のキャノン砲が、猿に向く。

左右のキャノン砲が火をふき、猿の体を光の槍が貫いた。

キャノン砲は、さらに火をふいた。

その瞬間、ガンスロンキャノンは、爆発した。


「まあ、いい……戦いは終わったのだから…」


猿は、2発目を受ける前に、死んでいた。

印が、飛んできて…真由の中に入った。

それを見て、真由は戦いが終わったことを知った。