落ち込んだ気分のまま控え室に入る。と、さっそく広海君にツッ込まれた。
「あら先生、何落ち込んでるのよ」
その問いに答えるのはさすがに気が重い。
「ああ、ちょっとね…」
「何よちょっとって」
と尋ねてくる広海君に、仕方なく今のやり取りを話して聞かせた。
「ふ~ん。つまり、今までの事は無かった事にしてよって言われたワケね」
って、そこまでズバッと言う事ないだろ。
「ウルサイなっ!」
つい声を張り上げた。
「なによ、怒鳴らなくてもいいじゃない」
「…ゴメン」
と、広海君が引き出しから包みを取り出して寄って来た。
「はいこれ」
とリボンを掛けられた包みをぶっきらぼうに目の前に差し出す広海君。
「ねぇ先生、ついでに言っとくけど、」
と、包みを差し出したまま続ける広海君。
「私も四月からここに泊り込みで実験する事になったからね、一年間」
「え?」
って事は、四月から僕がここに出入り禁止になったら、
「そう。今まで通りには会えないわよ、一年間」
そんな、ミライだけじゃなく広海君も…。
「どうしたのよ、受け取ってよチョコレート。せっかく作ったんだから」
とグッと差し出してくる広海君。
「あ、ああ、ありがとう」
と僕が包みを掴むと広海君がパッと手を離した。途端に重みがズシッと僕の手に載ってきた。
(なんだか、今までの事すべてを手渡されたような…)
今までの楽しかった事も大変だった事も、何もかも全部、
(この中に詰まってる、みたいな…)
リボンで飾られた包みをじっと見つめていると、なんだか悲しくなってくるよ。
「あら先生、何落ち込んでるのよ」
その問いに答えるのはさすがに気が重い。
「ああ、ちょっとね…」
「何よちょっとって」
と尋ねてくる広海君に、仕方なく今のやり取りを話して聞かせた。
「ふ~ん。つまり、今までの事は無かった事にしてよって言われたワケね」
って、そこまでズバッと言う事ないだろ。
「ウルサイなっ!」
つい声を張り上げた。
「なによ、怒鳴らなくてもいいじゃない」
「…ゴメン」
と、広海君が引き出しから包みを取り出して寄って来た。
「はいこれ」
とリボンを掛けられた包みをぶっきらぼうに目の前に差し出す広海君。
「ねぇ先生、ついでに言っとくけど、」
と、包みを差し出したまま続ける広海君。
「私も四月からここに泊り込みで実験する事になったからね、一年間」
「え?」
って事は、四月から僕がここに出入り禁止になったら、
「そう。今まで通りには会えないわよ、一年間」
そんな、ミライだけじゃなく広海君も…。
「どうしたのよ、受け取ってよチョコレート。せっかく作ったんだから」
とグッと差し出してくる広海君。
「あ、ああ、ありがとう」
と僕が包みを掴むと広海君がパッと手を離した。途端に重みがズシッと僕の手に載ってきた。
(なんだか、今までの事すべてを手渡されたような…)
今までの楽しかった事も大変だった事も、何もかも全部、
(この中に詰まってる、みたいな…)
リボンで飾られた包みをじっと見つめていると、なんだか悲しくなってくるよ。

