週末。部屋から外へ出るのをやめた。

(大騒ぎになるのは目に見えてるしな)

とても出る気になんてなれない。

「それじゃ、お疲れ様でしたー」

と夜、一日付きまとったテレビ局の人たちを見送って鍵を閉めてから、部屋に戻ってソファにドサッと座り込んだ。

(何でこんな事になっちゃったのかな…)

カメラが無けりゃ、こんなに憂鬱な事にはならなかった。あの記者会見が無ければ、あの事故が無ければ。そもそも、ミライが僕の所に来なければ…。

(そう、広海君とこじれる事もなく…)

この研究に係わらなければ、今でも彼女と上手くやっていただろうに。

(断っていればよかった、のか)

いや、あの所長の事だ、僕がどうゴネたって僕に押し付けていっただろう。となると、

(バレずに終わっていれば…)

ミライとの実験期間を無事に過ごせたら、僕から全てを打ち明けられていた筈だ。それならまだ良かったんだ。

(あの事故で全部、狂ったんだよ)

ロイの騒ぎが起こったせいで、ミライの事までバレた。

(ロイがいなかったら…)

所長がココロのヒントに気付いて、出来たココロを組込んだロイが完成して、あの事故が。

(という事は…)

あの事故が起こったは、感じるココロのヒントを気付かせた、その手助けをした、

(僕のせいなのか?)

ココロが完成しなければ、ロイが生まれる事も、あんな事故が起こる事も、結果、広海君が怒って出て行ってしまう事も無かった。

(そしたら今だって…)

ダメだ、考えがネガティブになってる。