夜、テレビ局の人たちは僕の部屋の中にまでついて来た。

「…あの、まさか泊まっていくとか？」

窮屈だから勘弁してくださいよ～。

「いえ、私たちは部屋を借りてますから」

と微笑んで返してくるディレクターさん。

「部屋？」

「ここの裏向こうのマンションですよ」

ああ、夏に所長たちが借りてた部屋か！

「なるほどね」

うまく使い回すもんだ。

「じゃ、私たち撮影してますんで普段通りに過ごしてください。食事が済んで落ち着いたら、インタビューも是非♪」

とニッとニヤけるディレクターさん。

（へいへい。そっちはイイ仕事が出来て嬉しいでしょうけど）

プライベートを晒されるこっちは堪んないですよ。

「はいカメラ廻りました、お願いしまーす」

と、朝昼夜ずっとカメラがついて廻る生活が始まった。あぁもう鬱陶しい！