木曜日、大学から研究所に戻って来ると研究室の中がウソのように静まり返っていた。寝台の傍にある作業台のノートパソコンの前で、所長と本田君の二人だけが腰掛けて話をしている。
「?」
と、所長がおもむろに立ちあがって振り返って、目が合った。
「やあ、おかえり」
と挨拶をくれたあと、フッと所長の顔色が陰った。
「所長、どうしたんですか?」
いつもの明るい所長じゃない。と、所長が持っていた書類の束を胸の前にかざした。
「ロイの原因がわかったんだよ」
えっ!
「わかったんですか!」
と顔を突き出して勢いよく聞き返しても、所長は顔色を曇らせたまま。
(…何か重大な事でも)
致命的なミスとか、手に負えない不具合とか?と心配になった時、所長がフッと口を開いた。
「これから局長に説明しに行かないといけないんだよ」
とフ~ッと息を吐く所長。なんだ、そっちで落ち込んでたんですか。
(まあ、気持ちはわかりますけどね)
考えただけでウンザリしますね。
「…で所長、原因は一体?」
何だったんですか?と尋ねると、所長が首を竦めてみせた。
「ウン、話すと長くなるからさぁ、本田君、説明してやってよ」
と腰掛けていた本田君に振る所長。
「いいですよ」
と本田君が頷いて返すと、所長が僕の肩をポンと叩いた。
「じゃ、局長がお待ちかねだからさ…」
と、所長が少し肩を落し気味に研究室を出て行った。ご愁傷様です所長。
「?」
と、所長がおもむろに立ちあがって振り返って、目が合った。
「やあ、おかえり」
と挨拶をくれたあと、フッと所長の顔色が陰った。
「所長、どうしたんですか?」
いつもの明るい所長じゃない。と、所長が持っていた書類の束を胸の前にかざした。
「ロイの原因がわかったんだよ」
えっ!
「わかったんですか!」
と顔を突き出して勢いよく聞き返しても、所長は顔色を曇らせたまま。
(…何か重大な事でも)
致命的なミスとか、手に負えない不具合とか?と心配になった時、所長がフッと口を開いた。
「これから局長に説明しに行かないといけないんだよ」
とフ~ッと息を吐く所長。なんだ、そっちで落ち込んでたんですか。
(まあ、気持ちはわかりますけどね)
考えただけでウンザリしますね。
「…で所長、原因は一体?」
何だったんですか?と尋ねると、所長が首を竦めてみせた。
「ウン、話すと長くなるからさぁ、本田君、説明してやってよ」
と腰掛けていた本田君に振る所長。
「いいですよ」
と本田君が頷いて返すと、所長が僕の肩をポンと叩いた。
「じゃ、局長がお待ちかねだからさ…」
と、所長が少し肩を落し気味に研究室を出て行った。ご愁傷様です所長。

