「もう、聖也?どうしたの!!」
いつもと違う様子の聖也に、ちょっと戸惑ってしまう。
全く意味が分からない私は、聖也を問い詰めた。
「……」
「もう、なんか言ってよ!!私、なんか悪いことした?!」
考えても何も思い浮かばなくて、ぐっと眉間にしわを寄せる。
すると、重い口を開いた聖也は、
「……スキがありすぎ」
って。
「っ!!なにそれ?!」
慶先輩とのこと?
「そのまんまだよ」
そんなこと言ったら、聖也だって女の人と仲良く話してたじゃん!!
ぶっきらぼうに言う聖也に、なんだか泣けてくる。
「何それ……聖也だって…」
消え入りそうな声で反論してみたけど、それ以上のことを私が言う資格もないって……
そう思うと、言葉にならなかった。
いつもはこんなんじゃないのに……
すごく優しくて、安心感があって、お兄ちゃんみたいな存在なのに。
今日の聖也は、なんだか嫌い。
「今日の聖也……なんか変だよ」
「……」
無言のまま、聖也は階段に座り込んだ。
何かを考えてるのか、頭を抱え込んでしまう。
「……もういい、なんか訳わかんないよ…」
そういった私に、聖也が視線を上げた。
視線が絡み合う。
目の前がぼやけそうになる。
涙を溜めたまま見てるのが限界で、教室に帰ろうと振り返った。


