こういう子って、他人を馬鹿にしたり見下したりするのがどうして上手なんだろう。

 相手の人格を否定して、自分を優位に立たせたがる。

 耳に障る笑い声。表情も目も何もかもが私を嘲笑ってる。

「私が自意識過剰で被害妄想してるだけなら良いけど、あんたらはそれ以上に勘違いしまくってるから教えてあげようと思って」

 普段は疲れるからしない、思いっきり上辺だけの笑顔を作ってあげる。

「こんな小さなとこで身を寄せ合ってしか威張れないくせに図に乗ってるあんたらの姿は滑稽でしかないから」

 私は群れの中をわざと突っ切って歩く。ただならぬ視線を背中に感じながら。

 とにかく後ろを見ずに、歩く速度も落とさずに前へ進む。

 大口叩いてなんだけど、無計画な上に臆病な私。今はこれ以上のことはできない。だから逃げるしかない。

 勝ち負けじゃあ、ないんだ。

 わたしはたった今、爆弾を投下しただろうけど。それも、とんでもないものを。

 私にとって大事なのは、その矛先なのだ。たとえ自己満足でしかなくても、何より大事なのだ。