どうしたらあんなにサラサラになれるのだろう。何か上手い方法があるならケイにも教えてあげたい。彼の癖毛は筋金入りだろうけど。
なんて、ぼんやり考えてたら信号が青になった。
前にいる猫背がちょっとだけ伸び、自転車を漕ぎ出す。私もその後に続く。
しかし、そこである事実に気付いてしまう。彼の肘の少し上辺りで、太陽の光を反射させてキラキラ輝く何かがあることに。
…………あの人、制服にシールを貼り付けている!?
え、なんで? まさかあえてそこに貼っている訳じゃないよね?
さらによく見てみると、なんとあのプ〇キュアのシールではないか。
そういう趣味……?
にしては変な所にあるから、誰かに貼られた可能性もなくはない。
だとしたら言ってあげた方がいいのではないか?
……いや、ちょっと待って。また私がいらぬ事を言って人を不快にさせるかもしれない。
いやいや、これを見て見ぬふりをして本当に本人があのシールの存在を知らずに一日を過ごして、後ろ指さされることになるとすれば私は自責の念に駆られることになるだろう。