「琢斗!」

「え?七海?お前、どうしたの?」


試合出発前、まだグラウンドにいる琢斗の姿を確認して、名前を呼ぶ。


七海と呼ぶ声。

わたしの頭を熱くした手。

サッカー一筋の足。


「ってか、お前、寝まき?」


はにかんだ笑顔。

全部、本物。

生きてるよね。

今度こそ、言わせて。