「!」 ぐいっと腕を上に引っ張られ、椅子から立ち上がらされた。 「…何泣かせてるんだよ」 この声ー… 「い…戌井」 驚いて、涙が止まった。 「傷つけてんのはお前じゃねぇか。アホ」 瀬戸くんに向かってそう言った戌井くんは、私の腕を引っ張り教室から出て行く。 突然のことで、先生も驚いて止めなかった。