だからこそアルバイトを禁止して、お小遣いだけでやりくりするようにさせたのかもしれないが、あたしにとってそれはなかなか辛い事だった。


「マキは何か欲しいものでもあるの?」


弘樹にそう聞かれてあたしは盛大なため息を吐き出した。


「あるよ。あるに決まってるじゃん。ほんと、あり過ぎて困ってんの!」


「例えばなに?」


「例えば……あれ!」


あたしはナオを指さしてそう言った。


突然指を指されたナオはまた驚いた顔をしている。


「あれって?」


「ナオが持ってるぬいぐるみ! あれって遊園地が閉園した日に限定で販売された商品なんだよ。



遊園地はなくなっちゃったからもう二度と手に入らないんだから! あ、でもネットには出回ってるかも。割高になってそうだけど、ちょっと調べてみる!」


あたしは早口にそう言うと自分の席に向かった。


スマホを取り出してさっそく調べ始める。