「珍しい物?」


「そうなんだ。これくらいの小さな箱なんだけど」


弘樹はそう言い、手で四角を作って見せた。


それは柚香が言っていたのを同じくらいの大きさ、片手に乗るくらいの大きさだった。


「これ、実はすごい物だったんだ」


話をしている弘樹が興奮気味にそう言った。


「すごい物?」


「そう! こんなに小さな箱なんだけど、複製機だったんだよ」


「複製機……?」


あたしは首をかしげて弘樹を見た。


複製機と言われて思い浮かぶのはコンビニなどにあるコピー機だ。


小さなコピー機でそんなに興奮する意味がわからない。


「例えばこれ」


弘樹はそう言い、財布を取り出して一万円札を取り出した。


驚く事に、弘樹の財布の中には数万円が入っていたのだ。