「似合うと思うよ。前よりもずっといい」


そう返事をすると、弘樹は嬉しそうにほほ笑んだ。


「そうかな?」


「そうだよ。正直弘樹って1学期まで地味なタイプだったから全然興味もなかったんだけど、なんか2学期になってからいいなって思うようになったし」


でも、特別な感情はないけどね。


そこはグッと言葉を飲みこみ、弘樹にほほ笑みかけた。


弘樹はほほ笑んだまま頬を赤く染めた。


「ねぇ、なにかあったの? 2学期から高校デビューなんて珍しいじゃん」


「別に、何もないよ。ただ、夏休み中におじいちゃんが亡くなってさ、その時に珍しい物をもらったんだ」


あたしに褒められて嬉しくなった弘樹はスラスラと話をしてくれる。