自分が最低な事を考えているのはわかってる。


でも、このチャンスをみすみす逃すこともできなかった。


あたしには欲しいものが沢山ある。


この前見た雑誌だって、本当に欲しい物はなかったかもしれないけれど、興味をそそられる商品は沢山あったんだ。


普段ならそれは見て見ぬふりをするけれど、弘樹と付き合えば手に入るかもしれないのだ。


あれもこれも、我慢しなくてもよくなるもかもしれない。


そう思うと、心臓がいつもより早くなっていた。


柚香が寂しそうな視線を弘樹へ向けていたけれど、そんな事にも気が付くことができなかった。