「やっぱり、誰かと一緒にいたんだ?」


あたしがそう聞くと、弘樹は素直に頷いた。


「でも彼女とかじゃないんだ。あれは俺のイトコだから」


「イトコ?」


ナオが声を裏返してそう聞いた。


「あぁ。休日を使ってこっちに遊びに来てるんだ。お店の場所を案内してほしいって言われたから、一緒に歩いてただけ」


弘樹はよどみなくそう返事をした。


恐らく嘘じゃないんだろう。


「そのイトコさんてあたしによく似てる?」


そう質問すると、弘樹は「へ?」と、首を傾げた。


「似てる……かなぁ? 雰囲気は似てるのかも?」


「そっくりだったじゃん! あたし、見たんだから!」


耐え切れなくなったナオが大きな声でそう言った。