「なに?」


とまどいながらも笑顔を浮かべる柚香。


「弘樹って最近ちょっと変わったよね? もしかして、何かあった?」


そう質問すると、柚香は少しだけ頬を赤らめた。


弘樹の話題になった途端赤面するなんて、わかりやすい。


「あ、えっとね……。休み中に弘樹のお爺さんが亡くなったの」


「え?」


あたしは眉を寄せて柚香を見た。


そんな不幸な話が聞きたいんじゃない。


「形見分けでなにか貰ったって言ってた。なんなのか、あたしも詳しくは聞かなかったけど、それから弘樹はちょっとずつ変わりはじめたんだよ」


形見分け……。