☆☆☆~弘樹サイド~

マキの部屋を開けた瞬間、異臭が鼻を刺激した。


人間を複製した後だとすぐに理解できた。


ドロリとした液体が流れ出て来て、足元に絡み付いて来た。


部屋の中を確認するとマキが横たわっているのが見えた。


鼻だけ出して後は完全に液体の中に浸っている。


俺は慌てて駆け寄り、その体を抱き起した。


マキの肌も服もすべて灰色に染まり、色を無くしている。


「マキ! マキ!!」


懸命に声をかけるが反応がない。


「早く! 救急車を!!」


叫びながらも、マキはもう二度と目覚めないだろうと気が付いていた。